クィアのコンテンツ制作者ジョニー・フォー氏の目を通してインクルーシブなタンペレを体験

5 分読み
タンペレのカラフルなフィンレイソン地区を散策するジョニー。

クレジット: Jonny Foe, @jonnyfoe

ドイツ人コンテンツ制作者のジョニー・フォー氏がLGBTQIA+グループと共に訪れたタンペレ(Tampere)で感動した瞬間

ジョニー・フォー氏はドイツのハンブルク出身のコンテンツ制作者で、印象的な旅の冒険とビジュアルを通じたストーリーテリングで有名です。世界中を旅する彼は、InstagramTikTokのアカウント@jonnyfoeで、賑やかな都市から人里離れた風景まで、各地の本質を捉えて紹介しています。LGBTQIA+コミュニティの誇り高きメンバーであるジョニーは、2023年にパートナーと結婚し、フォロワーと旅の冒険をシェアすることが大好きです。

ジョニーは、フィンランド政府観光局(Visit Finland)とタンペレ観光局(Visit Tampere)が企画したグループツアーに、世界中から集まっLGBTQIA+のコンテンツ制作者たちと共に参加しました。ここでは、ジョニーがタンペレ訪問で感動した瞬間を紹介します。言葉に尽くせぬほど美しい風景、独特な文化、忘れられない体験、すべてが北欧の宝石と呼ばれるタンペレを必訪スポットにしています。

クレジット: Jonny Foe, @jonnyfoe

タンペレでの温かい歓迎

到着した瞬間から、タンペレがインクルーシブな街であるために真剣に取り組んでいることがわかります。「We Speak Gay ネットワークの一員として、タンペレはLGBTQIA+の旅行者が安全で受け入れられていると感じられるように努めています。通りを歩いていると、店先にプライドフラッグが掲げられていて、地元の人々の純粋な温かさを感じました」とジョニーは語ります。

クィアの旅行者は旅先で不安を覚えることもありますが、タンペレでジョニーは「真の帰属意識」を感じました。さらに「自分のアイデンティティが尊重されるだけでなく、祝福される場所にいるということに、力づけられます。フィンランドがいつも世界で一番幸せな国にランク入りしているのも不思議ではありません」と付け加えています。

タンペレの歴史発見

ジョニーは活気あるフィンレイソン(Finlayson)地区に驚嘆 し、時を遡る旅をしているようだと表現しました。タンペレの中心部、絵のように美しいタンメルコスキ(Tammerkoski)川の急流に囲まれた地区には、1820年創業の歴史をもつフィンレイソン旧紡績工場があります。歴史情緒豊かな工場跡には、現在、素敵な博物館や飲食店が並び、年間を通じてさまざまなイベントが開催されています。

同じ地区にあるフィンランド労働博物館(Finnish Labour Museum Werstas)では、タンペレの産業遺産について知ることができます。ヴェルスタス(Werstas)は、フィンランドのLGBTQIA+の歴史に関する国のアーカイブ資料も所蔵しており、フィンランドでLGBTQIA+として生きることの実態を、工芸品、写真、物語を通じて紹介しています。この展示は、訪問したジョニーの心に深く響きました。「クィアの旅行者として、ジェンダーや性的マイノリティの物語がこれほど思慮深く保存されているのを見て、信じられないほど感動しました」

すぐ近くにはタンペレ・マーケットホールがあり、五感を楽しませてくれます。地元の珍味や新鮮な食材で賑わう市場では、タンペレの食文化を素晴らしい形で体験できます。「スクラープオティ(Suklaapuoti)のチョコレートを買わずにはいられませんでした。最高のお土産です。清潔で、整然としていて、店員が親しみやすくて、この街をさらに好きになりました」とジョニーは言います。

タンペレ マーケットホールを訪れると、五感が刺激されます。
クレジット : Jonny Foe, @jonnyfoe
スクラープオティの美味しいチョコレートは、お土産にも贅沢なひとときにもぴったりです。
クレジット: Jonny Foe, @jonnyfoe

ムーミンとトーベ・ヤンソンとクィアの遺産

ジョニーがタンペレで最も思い出深かった瞬間は、世界で唯一のムーミン(Moomin)美術館訪問です。「ムーミンの作者であり有名なクィアのアーティストであるトーベ・ヤンソンの長年のファンとして、今回の訪問には特別な意味がありました」とジョニーは語ります。美術館はヤンソンの遺産に敬意を表し、彼女が愛したムーミンのキャラクターを、精巧なジオラマや原画を通して紹介し、その気まぐれな世界観に命を吹き込んでいます。

「美術館を歩くと懐かしさを覚え、楽しくなります」とジョニーは振り返ります。「世界の文化に多大な影響を与えたヤンソンのようなクィアのアーティストを称えることの重要性を思い知らされました。彼女の作品はあらゆる世代の人々にインスピレーションを与え続けています。この美術館はタンペレに来たら必ず訪れたい場所です」

タンペレにある世界で唯一のムーミン美術館は必見スポット。
クレジット: Laura Vanzo

カウッピの森で自然とのつながりを取り戻す

タンペレ最大の特徴のひとつは、都会の生活と自然がシームレスに融合していることです。市内にいても、緑豊かな森や穏やかな湖がすぐ近くにあります。「『森と共に去りぬ』体験の一環としてカウッピ(Kauppi)の森を散策したのですが、まるで魔法にかけられたようでした」とジョニーは語ります。

「森は聖域のように感じられました。澄んだ空気、そびえ立つ木々、圧倒的な安らぎの中で、私が必要としていた心の拠り所を見つけることができました」と付け加えます。ピュニッキ展望塔は必見です。ここに立ち寄って、淹れたてのコーヒーを飲みながら市街地や周辺の湖のパノラマを眺めるのもおすすめです。「友人と自然に囲まれた瞬間は、純粋な満足感に包まれていました。フィンランドが自然との密接なつながりによって世界で一番幸せな国のひとつになっている理由を思い知りました」とジョニーは振り返ります。

ピュニッキ展望塔から見渡すタンペレのパノラマビューをお楽しみください。
クレジット : Jonny Foe, @jonnyfoe
カウッピの森で緑あふれる穏やかな風景の中をのんびり散策。
クレジット: Jonny Foe, @jonnyfoe

セルラキウス美術館でクリエイティビティとつながりを体験

もうひとつの忘れられない体験は、マンッタ(Mänttä)にあるセルラキウス(Serlachius)美術館訪問です。「クィアの旅行者としてのアイデンティティを見つめ直しながら、クリエイティブに自分を表現する機会になりました。私たちは笑い、絵を描き、旅の話を共有し、お互いの間に深いつながりが生まれました」とジョニーは説明します。そしてフィンランド、とくにタンペレがいかに創造性と自己表現を重視しているかを指摘します。 芸術、自然、歴史のいずれを通じても、フィンランドは独自の方法で多様性と個性を尊重しています。

マンッタのセルラキウス美術館で実施された自己表現についてのクリエイティブなセッション。
クレジット: Jonny Foe, @jonnyfoe

フィンランドのサウナ文化 - 心からリラックスできる伝統

フィンランドを旅するなら、その象徴的なサウナ文化を体験せずに旅を締め括ることはできません。「世界のサウナの首都」として有名なタンペレは、サウナに浸るのに最適な場所です。「滞在中、いくつかのサウナを訪れましたが、最も印象に残ったのは歴史あるラジャポルティ(Rajaportti)サウナでした。1906年に建設されたフィンランド最古の公共サウナに一歩足を踏み入れると、豊かな文化の伝統に触れた気分になります」とジョニーは言い、さらに続けます。

「フィンランドのサウナで最も好きなところは、サウナが単なるくつろぎの場ではなく、平等な空間であるということです。サウナでは誰もが歓迎され、自分らしくいられる機会が与えられます。この根深い平等意識のおかげで、クィアの旅行者である私は、さらに有意義な体験をしています。フィンランドでサウナ文化がこれほど大切にされているのも不思議ではありません」

ターロ・ベンチャーズでの魔法の夜

最後の夜は、タンペレから車ですぐのナシヤルヴィ(Näsijärvi)湖畔にある静かな隠れ家、ターロ・ベンチャーズ(Tahlo Ventures)で過ごしました。経営者のヨハンナとの出会いが最大の収穫でした。人々がリラックスし、心を通わせ、自分らしくいられる空間を作りたいという彼女の情熱は、本当に感動的です。「ターロ・ベンチャーズがLGBTQIA+コミュニティの一員であることを誇りに思い、施設があらゆる面でインクルーシブなところを見て、とても幸せな気分になりました」とジョニーは語ります。

プライベートシェフが用意した美味しい食事を仲間たちと囲んでいると、夕陽が湖に沈み、空が桃色やオレンジの鮮やかな色合いに染まります。「友人に囲まれて夕陽を眺めるなんて、旅の完璧なフィナーレとして記憶に残るだろうと思いました」とジョニーは振り返ります。「その後、サウナとお風呂でリラックスし、穏やかな湖面を一望しました。純粋なつながり、リラックス、感謝に包まれたひとときでした」

ターロ・ベンチャーズに泊まってナシヤルヴィ湖でリフレッシュ。
Credits: Jonny Foe, @jonnyfoe

タンペレとフィンランドを必訪リストに入れるべき理由

ジョニーのタンペレ探訪は、ただの訪問にとどまらず、つながり、くつろぎ、喜びに満ちた旅になりました。美しい自然や豊かな文化に恵まれたインクルーシブな旅先を求めるLGBTQIA+の旅行者にとって、タンペレとフィンランドは必ず訪れたい場所です。

タンペレとフィンランドをクィアの旅行の必訪リストに入れるべき理由は3つあります。

  • インクルーシブで安全:タンペレはWe Speak Gayネットワークの一員であり、LGBTQIA+の旅行者が歓迎され、サポートされていると感じられるように努めています。
  • 比類ない自然の美しさ:緑豊かな森から穏やかな湖まで、自然と密接に結びついたタンペレは、リラックスして英気を養うのに理想的な環境です。
  • 豊かな文化:ムーミン博物館を訪問してもフィンランドが誇るサウナ文化を満喫しても感じることですが、タンペレでは歴史、芸術、個人の表現が独自の形で融合しています。

「タンペレを離れると、インスピレーションが湧いてきて、また戻りたくなります」とジョニーは締めくくります。「美しい自然、活気ある文化、そしてクィアを受け入れる雰囲気を兼ね備えた旅先をお探しなら、タンペレとフィンランドは必訪リストの筆頭にくるはずです」

マンッタにあるセルラキウス美術館で、静かな湖の眺望を楽しむ。
クレジット : Jonny Foe, @jonnyfoe
カウッピの森で景色を楽しむLGBTQIA+のコンテンツ制作者たち。
クレジット: Jonny Foe, @jonnyfoe
活気に満ちたカラフルなフィンレイソン地区。
クレジット: Jonny Foe, @jonnyfoe

も参照してください

フィンランドのユネスコ世界ジオパーク

水が削り出した景観から湿地帯や火口湖にいたるまで、フィンランドにはユネスコ世界ジオパークが5か所あり...