北欧へ行くなら今こそフィンランドがイチオシである理由

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People sitting in front of the sauna at Lonna island in Helsinki.

クレジット: Julia Kivelä

北欧諸国の中でもフィンランドがイチオシの理由

北欧やスカンジナビア半島といえば、スウェーデンの音楽バンド、ノルウェーの絶景フィヨルド、アイスランドの活火山、美食の街コペンハーゲンのブランチなどが思い浮かぶでしょう。それは当然でしょう。私たちも大好きです。北欧の国々には、多くの共通点があります。自然への深い敬意、すっきりとしたデザイン、世界最高水準の安全性、そして信頼、平等、静かな自信の上に築かれた生活様式。

しかし、フィンランドは?フィンランドには独自のリズムがあります。少しワイルドで、ちょっと型破りで、一度訪問したら忘れられなくなる国。そんなフィンランドの特別な魅力をご紹介します。

1.サウナ体験にイチオシの国

これはまぎれもない事実ですが、フィンランドはサウナ発祥の地です。「サウナ」という言葉はフィンランド語に由来しています。サウナとはスパの付属施設ではなく、ライフスタイルそのもの。できれば湖畔や海辺で、急かされることなく、ゆったりと水に浸かって涼むのが理想的です。ヘルシンキの受賞歴を誇るデザイナーズ系サウナから、森の中にひっそりと佇む伝統のスモークサウナまで、フィンランドではあらゆる種類のサウナを楽しむことができます。間違いなくリラックスできるでしょう。

ヘルシンキ地方で体験できるサウナ

近代的なサウナから、独特なサウナ療法を提供する伝統的サウナまで、さまざまな種類のサウナがあります。
Credits: Visit Jyväskylä, Julia Kivelä

2.オーロラ体験を満喫するさまざまな方法

フィンランドにおいて、オーロラは目で楽しむだけではなく、五感を刺激する貴重な体験です。8月下旬から翌年4月にかけて、フィンランドのラップランド地方は世界有数のオーロラ出現率を誇る地域となり、年間で最大200日間にわたって夜のオーロラ観測が可能になります。

フィンランドの真の魅力は、幾通りもあるオーロラ観測体験にあります。白銀に輝く森の中をハスキー犬が引っ張るそりに乗って滑走し、木々の上で揺らめくオーロラを眺めるのも一興。スノーモービルに乗ってオーロラを追いかけ、ガイド付きのスノーシューハイクで静寂の極光ショーを楽しむのもいいでしょう。もっとゆっくりと過ごすなら、ガラス屋根のキャビンでくつろぎ、露天風呂に浸かり、居心地の良いオーロラ観測ドームや森の中のロッジから空模様を眺めてみてはいかがでしょうか。フィンランド北部では、さまざまな体験を選べます。

オーロラの下で眠る

 

クレジット: Antti Pietikäinen

3.スノーホテルや森の隠れ家から灯台島まで思い出に残る滞在先

ラップランド地方では、ロヴァニエミ(Rovaniemi)、キッティラ(Kittilä)、ケミ(Kemi)などで雪と氷のホテルに宿泊できます。
クレジット: Snowhotel of Kemi

フィンランド旅行の醍醐味は、他のどこにも存在しないような場所に滞在できることです。フィンランドのラップランド地方ではガラス張りのキャビンから星空を見上げる夜を。ヘルシンキの中心部ではモダンなデザイナーズホテルに予約を。バルト海では灯台のある島に宿泊を。なんとスノーホテルも利用できます。フィンランドの個性が光る宿泊施設は、風景そのものと同じくらい思い出に残り、自然との絆を感じられます。

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フィンランドの群島にある行きやすい灯台6選

フィンランドの南海岸にあるベンクトゥシャール灯台島には宿泊施設があり、唯一無二の体験を楽しむことができます。
クレジット : Noora Tammisto
ヒルトップ・フォレスト(Hilltop Forest)にある個性的な木造キャビンでは、木々を見上げながら眠りにつくことができます。
クレジット: Hilltop Forest, PuuroVisuals

4.知る人ぞ知る!大胆で安定感のある美味しいグルメ

北欧料理はエレガントでシンプルという評判ですが、フィンランドの食文化は一味違います。ここでは昔から、希少性が発明の母でした。隣国の王室とは異なり、フィンランドには何世紀にもわたって歴史を重ねた宮殿の厨房はありません。私たちの手にあるのは、機知と回復力、そして深い尊敬にみちた大地との関係性です。採集、保存、発酵、手に入るものはすべて活用すること。これがフィンランドの伝統です。創造性は制約があるところから始まることを知っている新世代のシェフたちによって、継承され、洗練され、今まさに再構築されています。

近年、フィンランドにはミシュランの星を獲得するレストランが次々と誕生しており、世界最北の星付きレストランのひとつもここにあります。
とはいえ、フィンランドの食文化は決して高級さだけを追求しているわけではありません。
大切にしているのは、素材本来の魅力を引き出す誠実さと創造力、そしてそれを信じる心。
フィンランドの食文化について、もっと詳しく見てみませんか?

フィンランドの食文化

クレジット: Teller

5.静かな輝きを放つデザイン

北欧では、デザインとは生き方そのもの。ただしフィンランドでは、それ以上の意味を持っています。機能性、誠実さ、そして自然との深い絆に根ざした哲学です。それは美術館やショールームだけでなく、日常生活の中にも見出すことができます。椅子の曲線的なフォルム、ウールの靴下の柔らかさ、ヘルシンキを代表する世界でも有名な公共図書館Oodiの考え抜かれたレイアウト。

フィンランドのデザインを特徴づけるのは、空間、シンプルさ、光です。建築は、大きな窓、天然素材、意図的に作られた平穏を通して自然を招き入れます。アルヴァ・アアルトの建築が現在もモダンな印象を与え、イッタラ、アルテック、マリメッコなどブランドの日用品が世界の美意識に影響を与え続けていることも偶然ではありません。

ヘルシンキの象徴的なフィンランド建築

クレジット : Miki Watanabe
1950年代にアルヴァ・アアルトが設計したユヴァスキュラ大学は、時代を超越した建築です。
クレジット: Tero Takalo-Eskola

6.フィンランドの大自然で野生動物ウォッチング

フィンランドで野生動物を観察することは、静かな忍耐、自然への敬意、思わず息が止まるような瞬間を体験することです。ガイド付きツアーに参加すれば、湖水地方の北部の森から姿を現すヒグマを垣間見ることができるかもしれません。東部のサイマー湖では、運が良ければ、現地ガイドの案内で、世界でも希少種である幻のサイマーワモンアザラシに出会えるでしょう。

北部に生息するオオカミ、オオヤマネコ、トナカイなど、フィンランドの野生動物はしっかり保護されています。現地ガイドは、ウォッチングに適した時期や場所、動物の邪魔をせずに楽しむ方法を熟知しています。自然の摂理に従って行動する、まさに魔法のような体験です。

全国のサステナブルな動物ツアーは、アクティビティと体験のページでご覧いただけます。 

フィンランドの素晴らしい野生動物

Credits: André Alexander Baumann

7.生涯忘れられない光:白夜

人生でとても現実だと思えないような体験はきわめて稀ですが、白夜はそのひとつです。フィンランドのラップランド地方では、夏の間、太陽が何週間も沈まず、世界中のほとんどの人々が眠っている時間帯に、森や丘陵、湖畔を黄金色に染めます。北に行くほど、その美しさは幻想的になります。フィンランドの最北部では、最大2か月間、24時間ずっと昼間が続きます。これは地球上でも珍しい現象です。ヘルシンキからタンペレに至るフィンランドの都市では、ラップランド地方よりも少し短いですが、それに劣らず幻想的な夏の白夜を体験できます。

いつもとは違う夏を体験したいなら…明るく照らされた夜、それが来月いつか訪れる日の出の瞬間まで続くような夏を体験してみたいなら、おすすめです。

白夜の国フィンランド

クレジット: Visit Rovaniemi

8.最もピュアで手が届く自然

41の国立公園、18万を超える湖、どこまでも続く森のトレイルを誇るフィンランドは、ヨーロッパでも有数の自然散策に最適な国です。フィンランドの自然を探検するのに、ジープや特別な道具は必要ありません。外に出るだけで大丈夫です。ほとんどの屋外エリアは誰でもアクセス可能で、車椅子の方や小さなお子様連れの方に向けて整備されたトレイルもあります。

湖水地方でのカヤック、群島での島めぐり、秋のラップランド地方でのハイキングなど、フィンランドでは気軽にアウトドア体験を楽しむことができます。ここで深呼吸したくなる理由をもうひとつ。ラップランド地方のパッラス・ユッラストゥントゥリ(Pallas-Yllästunturi) では、世界でも有数の澄んだ空気の存在が科学的に証明されています。

フィンランドのなんとも素晴らしい国立公園

ウォーターアクティビティに最適なサイマー湖は、ヨーロッパで4番目に大きい天然の淡水湖。
クレジット: Visit Saimaa

フィンランドでできる唯一無二の体験

サステナブル・トラベル・フィンランド(Sustainable Travel Finland)認証を取得したフィンランド国内のサービスプロバイダーが、思い出に残る旅のお手伝いをします。

cooking by the fire soup for starters
Sustainable Travel Finland
Tervalampi
Learn cooking by the fire with our wilderness chef

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