フィンランドのユネスコ世界ジオパーク

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サイマージオパークのノルッパポルク(Norppapolku)トレイル沿いの湖の眺望。

クレジット: Matti Vainikka

ユネスコ世界ジオパークは、太古の山脈、砂浜、隕石のクレーター、厚さ数キロメートルの大陸氷河、大地を削る膨大な量の雪解け水など、地球の進化を物語る地質遺産です。フィンランドに存在する5つのジオパークは、35億年をかけて現在の姿に進化したフィンランドを体現しており、そのすべてがユネスコ世界ジオパークに認定されています。

フィンランドのジオパークについては、こちらから目的地の最寄りのジオパークを探すことができます。

ロクア(Rokua)ジオパークでベリー摘みやキノコ採りを楽しむ。
クレジット: Metsähallitus, Rokua National Park

サルパウッセルカ ユネスコ世界ジオパーク

サルパウッセルカ(Salpausselkä)ユネスコ世界ジオパークは、ラハティ(Lahti)にある伝説級のサルパウッセルカ第一尾根から、広大なパイヤンネ(Päijänne)湖の南岸まで 、6つの市町村にまたがっています。森林に覆われた当地域には、古代の氷河川が縦横に流れています。壮大なサルパウッセルカの稜線は、氷河期の終わりに大陸氷床の後退がここで止まったことをまざまざと思い出させます。

サルパウッセルカ ジオパークは、古代の剥き出しの岩盤や数百もの湖、そして幅の狭いエスカーと尾根が入り組んだ複雑な地形で、氷河の力によって形成された独特の景観が印象的です。地表の下には、厚い砂利と砂の層があり、清純な地下水が大量に蓄えられています。まさに隠された秘宝です。この地域はさまざまな地形や景観に恵まれ、ハイキングやウォーキングに適したトレイルが多く、優れたサイクリングルートもあります。

サルパウッセルカのエスカーと尾根は、最後の氷河期の末期に砂利と砂が堆積して形成されたもので、現在は美しい野外レクリエーション用エリアとなり、膨大な地下水埋蔵量を誇っています。
クレジット : Kati Komulainen, Salpausselkä Geopark
パイヤンネ国立公園内のケトル池。
クレジット: Johannes Sipponen, Salpausselkä Geopark

サイマーユネスコ世界ジオパーク

南カレリア州と南サヴォ州に横たわるサイマー(Saimaa)ユネスコ世界ジオパークは、人々の冒険心を刺激する場所です。清らかな湖水地方の景観の起源を探ることができます。サイマーは、19億年以上前に太古の海の底から現れた繊細な岩盤から形成され、現在では澄んだ水と緑豊かな森林が特徴です。

9つの自治体にまたがるサイマージオパークには、地質学と文化遺産が融合した独特なジオサイトが65か所あり、ハイキングやサイクリングから文化探訪まで、さまざまなアクティビティを楽しむことができます。古代のビーチや先史時代の岩絵に加えて、サイマー湖には人気のサイマーワモンアザラシが生息しています。アザラシウォッチング、スールサイマー(Suur-Saimaa)湖のボートツアーで味わうスリル、イマトラ(Imatra)のヴオクシ(Vuoksi)川でのドライスーツフローティング、フローティングサウナの心地よい温もり。サイマー湖では1年中冒険を楽しむことができます。

サイマーユネスコ世界ジオパークは、サイマーの息をのむほど美しい自然、風光明媚なハイキングコース、歴史的な文化的建造物を一体化させたもので、この地域を訪れるなら必見の観光スポットです。
クレジット : Arto Hämäläinen, Saimaa Geopark
この希少種の内陸アザラシは、氷河期以降に海から切り離され、フィンランド最大の湖であるサイマー湖の淡水生息地に適応してきました。
クレジット: Teuvo Juvonen / Vastavalo

ラウハンヴオリ・ハメーンカンガス ユネスコ世界ジオパーク

ラウハンヴオリ・ハメーンカンガス(Lauhanvuori-Hämeenkangas)ユネスコ世界ジオパークは、南ポフヤンマー県(South Ostrobothnia)、サタクンタ県(Satakunta)、ピルカンマー県(Pirkanmaa)など、スオメンセルカ(Suomenselkä)地域の南部に広がっています。太古の岩や崖が残る風景は、約20億年前にこの地域に山脈が形成されたことを物語っています。この雄大な山々が長い年月をかけて浸食された結果、現在のような湿地帯が形成されました。このジオパークは氷河期と温暖な気候のサイクルを通じて形成されたものです。フィンランド南部の3分の1の面積を占める自然湿地帯は、異例の広さを誇っています。

ハイキングや自然をこよなく愛する方には、松林から美しい湿原まで、多彩なトレイルを体験することをお勧めします。ジオパークで自然の驚異に感動し、澄みきった湖や塩湖に飛び込んでリフレッシュし、近くのレストランやカフェで地元産の食材を使った記憶に残る料理を味わってみませんか。

ラウハンヴオリ・ハメーンカンガスのジオパークで原野に広がる湿原を進み、安らぎと神秘の世界を体験。
Credits: Terttu Hermansson, Metsähallitus

インパクトクレーターレイク ユネスコ世界ジオパーク

インパクトクレーターレイク ユネスコ世界ジオパークは、ポフヤンマー湖水地方(South Ostrobothnia Lake District)の中央部にあります。その中心のラッパヤルヴィ(Lappajärvi)湖は、ヨーロッパ最大のクレーター湖です。隕石が宇宙速度で地球に衝突したことで、広範囲に壊滅的な被害が及び、数百キロメートルにわたって生命が絶滅し、隕石そのものも強力な爆発で消滅しました。ジオパークには古代の大災害の痕跡が目に見える形で保存されています。そのため、数百万年たった現在でも、起こった出来事の規模を知ることができます。

このエリアには、ラッパヤルヴィ周辺の地質学的スポットを巡るクレーターレイクジオルートや、クレーターを一周する文化探訪サイクリングコースなど、いくつかのルートが用意されています。

ロクア ユネスコ世界ジオパーク

ロクア(Rokua)ユネスコ世界ジオパークは、ポフヤンマー北部(Northern Ostrobothnia)のムホス(Muhos)市、ウタヤルヴィ(Utajärvi)市、ヴァーラ(Vaala)市にまたがっています。ロクア ジオパークには、さまざまなキャンプ体験、自然・文化スポット、観光サービスが用意されており、古代の氷河に削られた素晴らしい景観を楽しむことができます。なだらかな尾根、手つかずのままの湖や池、肥沃な川の渓谷は、氷河期の遺産を生き生きとした姿で伝えています。

ロクア ジオパークでは、一年を通じて美しい自然とアクティビティを体験できます。マウンテンバイクや釣り、ベリー摘みやキノコ狩り、スノーシューで雪道を歩いたり、ファットバイクで雪上を走行したり、ウィンタースポーツを楽しむこともできます。

"ロクア ジオパークには初心者向けコースから中難易度のコースまで、約40キロメートルの標識付きトレイルがあります。 "
クレジット: Harri Tarvainen

自然への敬意と保護

野生生物を保護するよう意識的に努力し、自分のゴミや他のハイカーが残したゴミを集めて指定のゴミ箱に捨て、良いお手本を示しましょう。森林浴へ出かけ、自由気ままな散策、森の恵みの採集、責任あるキャンプなどをお楽しみください。ただし、自然享受権を事前にしっかり理解して、自然保護区では適切なアウトドア エチケットを守れるようにしておきましょう。

サイマージオパークのノルッパポルク(Norppapolku)トレイルは全長13キロメートルに及びますが、3つあるコースの一部だけをハイキングで楽しむこともできます。
Credits: Matti Vainikka

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Puumala
Six Days in Saimaa UNESCO Global Geopark
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