6月のフィンランドで体験すべきこと

3 分読み
Two people running into a lake in the summer in Finland.

クレジット: Svante Gullichsen

6月は“ミッドサマー・マジック”と果てしない光の季節

6月はフィンランドの黄金の季節の幕開け。緑が一層濃くなり、湖は心地よく温まり、昼の時間が限りなく長く続きます。ラップランドでは太陽が沈まない「白夜」が体験できます。夏至(フィンランド語で“juhannus”)は、焚き火やサウナ、家族や仲間との自然の中でのひとときを祝う、フィンランドで最も大切にされてきた伝統行事の一つです。

6月のフィンランドでは、光に満ちた日々、色とりどりのフェスティバル、花開く自然を満喫できます。夏至の焚き火や海岸サイクリング、湖畔コテージでの休日、そしてゴールデンアワーに照らされる真夜中の太陽トレッキングなど、楽しみ方は盛りだくさん。以下に地域ごとのおすすめプランをご紹介します。

クレジット: Svante Gullichsen

ヘルシンキ圏:島の焚き火と開放的な文化

6月のヘルシンキは、活気と夏の香りに包まれています。郊外へ出かける人も多いですが、多くの人が市内に残り、海辺の風景や長い夕べ、文化イベントを楽しみます。象徴的な公共サウナで心をゆるめ、夏のテラスで賑わう雰囲気を味わい、北欧の味覚をレストランやビストロで堪能し、白夜の光の中でカクテルを傾ければ、まさに夏の魔法を体感できます。

ヘルシンキデーの祝賀(6月12日)
この日は市の誕生日を祝うヘルシンキ・デー。無料コンサートや展覧会、ファミリー向けイベントが街中で開催され、誰もが参加できるお祭りムードが広がります。

都会で過ごす夏至の夜
月末には、ピルハヤサーリ島やセウラサーリ島へフェリーで足を伸ばしましょう。伝統的な夏至の焚き火に灯がともり、民族音楽にマイポールダンス(夏至の踊り)、歓迎に満ちた雰囲気が漂います。

ヘルシンキ・プライドで祝福の渦へ
6月の終わりには、ヘルシンキ・プライドが開催され、LGBTQIA+の権利と可視性を祝う市最大の人権/文化イベントに。多様なプログラムで、誰もが自分らしくいられる瞬間を分かち合えます。

歴史が息づく鉄工所村へ
首都圏を離れても魅力がいっぱい。フィスカルスやビルネスといった「ruukkikylät(ルーッキキュラット)」と呼ばれる歴史的な鉄工所村では、ものづくりの工房やデザインブティック、夏のカフェが緑の中に点在し、日帰りでも特別な時間を過ごせます。

クレジット : Svante Gullichsen
クレジット: Julia Kivelä

海岸・群島エリア:海風と木造の街並み、食の豊かさ

6月の沿岸部と群島では、フェリーが行き交い港が活気づき、カフェや宿泊施設が季節の扉を開きます。古都トゥルクには、国を代表するグルメスポットが集い、食通にも人気のエリアです。

群島トレイルを自転車で巡る
パルガス、ナウー、コルポ、ホウトスケル、イニオを結ぶ約250kmの「Archipelago Trail」は、島々や海沿いの村々を巡る絶好のルート。自転車、車、バス、徒歩など、スタイルに応じて旅が楽しめます。所要2〜5日で、季節運行のフェリー(ホウトスケル〜イニオ間)を含めた旅程で島の自然、家族向けアクティビティ、地元の食、海辺の宿泊を満喫できます。

灯台の島で非日常体験を
時間があれば、バングツケル島の灯台を訪ねてみては。北欧で最も高い灯台が建つこの島は、船ツアーでアクセスでき、壮大な海の景色とドラマティックな歴史が体感できます。宿泊も可能なので、予約をお忘れなく。

フィンランドの群島にある行きやすい灯台6選

木造の街並みに時間を溶かす
歴史情緒を味わいたいなら、ラウマやポルヴォー旧市街へ。石畳の路地、工房、パステルカラーの家々が小さな美術館のように並ぶ風景は、ゆったりとした時間へ誘います。晴れた日のカフェテラスでケーキをひと切れ、そんなひとときもまた素敵です。

フィンランドの木造建築の街を訪ねる

クレジット : Terri Vahtera, Visit Turku
クレジット: Juho Kuva

湖水地方:コテージとサウナ、ゆるやかな湖畔時間

6月の湖水地方は、長い昼、大らかな湖水、そしてコテージライフの伝統が象徴的に息づく季節。フィンランド人が心身を休める場所であり、訪れる人々も本物の静けさと夏の美を感じられます。

コテージ体験をしてみる
湖畔のコテージにプライベートサウナが付いた宿泊は、クラシックなフィンランド体験。サイマー湖やパイヤンネ湖のほとりで、水と木々と空に囲まれた空間を満喫しましょう。

フィンランド流リラックス法 (コテージ・サウナ・湖)

絶景のカヤックルートへ漕ぎ出す
数千もの湖と静かな水路が連なる湖水地方は、カヌーやカヤック旅の理想郷。6月には、リンナンサーリ国立公園やコロヴェシ国立公園、パイヤンネ湖の透明な水路を漕ぎ進むと、島の焚き火でランチや湖畔のヒュッテ泊も楽しめます。

湖水地方の国立公園

地元のマルシェで季節の味を
とれたてのイチゴやグリーンピースなど、地元の夏野菜が並ぶ市場もお見逃しなく。muikku(フリットにした小魚)や、muurinpohjalettuというパンケーキをジャムと生クリームで味わうのも、夏の味覚です。

フィンランドで一度は味わっておきたい代表的な伝統料理

クレジット : Anna-Katri Hänninen, Uhkua Saimaa
クレジット: Mikko Nikkinen

ラップランド:真夜中の太陽のもと光溢れる冒険

6月のラップランドは、文字通り光に包まれます。北極圏を越える地域では、真夜中の太陽が昼夜を問わず空を照らし、自然の中で過ごす長い時間と忘れられない夜の冒険を体験できます。

トレッキングとマウンテンバイクの絶好期
ユッラスやピハ・ルオスト、サーリセルカなどでは、夏のトレイルやレンタルバイクが充実。丘陵地帯、松林、広々としたツンドラ景観を縫って進む道は、軽快な散策から本格的な登坂まで自在です。

フィンランドでサイクリング

ソダンキュラの映画祭で“光の祝祭”を
6月中旬には、ソダンキュラで「ミッドナイト・サン映画祭」が開催され、終日・深夜問わず映画が上映されます。世界中のアートハウス映画が集まり、監督との対話や暗夜の訪れない空の下での交流を楽しめます。

https://msfilmfestival.fi/en/

真夜中の太陽の下で体感するアクティビティ
真夜中に太陽がまだ柔らかく輝くラップランドの自然を歩く体験は、どこか現実を超えて感じられます。ガイド付きウォーキング、ハスキーや馬とのライド、写真撮影ツアーなど、黄金の光が丘や森を照らす瞬間を捉えるアクティビティが揃います。

クレジット : Visit Rovaniemi
クレジット: Marjaana Tasala

も参照してください

フィンランドの荘厳な白夜の写真

太陽が沈まないフィンランドの白夜を、コミュニティメンバーが撮影した貴重な写真を通して、お楽しみくださ...